予防歯科
- 唾液の量
量が多ければ多いほど、お口の汚れを洗い流してくれる自浄作用が高まりますので、虫歯になりにくいといえます - 唾液緩衝能
緩衝能とは、お口の中を中性に近付ける唾液の力を言います。
安静時の時、人の口の中は中性ですが、糖を含んだ食事をすると、一時的に口の中は酸性に傾きます。
その後、唾液が口の中を中性に戻そうと働きますが、中性に戻す力が弱いと酸性の状態が長く続くことになり、虫歯になりやすいのです。食後、酸が歯を攻撃します。唾液が分泌され、緩衝能が働くことにより、酸が中和されます。
間食が多かったり、アメ、飲み物などを長時間ダラダラと飲食していると、緩衝能が十分に働く前に酸が産生され、お口の中が常に酸性に傾いた状態(虫歯になりやすい状態)になってしまいます。 - 虫歯の原因細菌の数
一言で「虫歯菌」といっても、その菌の種類により、どんな風に虫歯になりやすいのかが違います。
ミュースタンス菌:虫歯のきっかけを作ります。多くの人が赤ちゃんの頃、お母さんから感染します。
ラクトパチラス菌:虫歯を進行させる菌です。きれいに歯磨きができていなかったり、歯に合わない古い修復物(銀歯、差し歯など)が入っていると増殖します。砂糖の摂取量とも関係があります。
患者さまと2人3脚で取り組む予防歯科
当院では、経験を積んだ歯科衛生士が一人の患者さまをずっと担当する「担当衛生士制」を採用しております。
予防歯科における担当衛生士制のメリットは、初診時より患者さまのお口の中の状態を確認しながら処置を行っておりますので、状態の変化に気づきやすく、いち早く効果的なアドバイスや適切な処置を行うことができるということ。
そういった変化が口腔内に現れた時は、生活環境や食生活などに何かしらの変化があることがほとんどですので、プライバシーに差し支えない範囲で、できる限りどういった変化が起こったのかをヒアリングするようにしております。
また、毎回同じ衛生士が担当することで患者さまとのコミュニケーションも取りやすく、ちょっとした質問や疑問なども気軽にお話しいただけます。
患者さまから信頼していただける衛生士であるために、患者さまに寄り添った丁寧なケアを行うよう心がけております。
リスクを把握し、一人ひとりに合った予防ケアを
虫歯や歯周病になった原因が違えば、予防法も違います。そこで当院では、お口の中の環境や体質を把握するためのさまざまな検査メニューを導入しております。
ご自身の状況を正しく把握することで、自分に合った予防法を知ることができます。
唾液検査
唾液検査とは、簡単なテストで虫歯のかかりやすさをチェックできる検査です。
5分間、味のついていないガムを噛み、出た唾液の検査することで、唾液の緩衝能や虫歯の原因菌の数を調べることができます。
唾液検査で解ること
歯周病菌検査(バナペリオ)
バナペリオは簡単な検査で歯周病の重症化危険度を調べることができる検査キットです。
口腔内には約300~400種類の細菌が存在するといわれておりますが、その中でも特に慢性歯周病に大きくかかわりとされている原因菌が
P.g.菌(プロフィロモナス・ジンジバーリス菌)
T.f.菌(タンネレラ・フォーサイセンシス菌)
Td.菌(トレポネーマ・デンティコーラ菌)
の3種類であることが解明されています。
この3種類の歯周病原菌の存在を調べる検査機器が「バナペリオ」です。
これらの菌が見つかった場合は治療が難航することが予想されますので、通院感覚を短くし、こまめにケアそしてあげるほか、ご自宅でも専用のメンテナンス用品を使用していただいてしっかりとセルフケアをしていただきます。
効率よく治療をすすめるためにも、まずはリアルタイムPCR検査法により、ご自身の症状の原因をしっかりと分析することが大切です。
バナペリオ検査の特徴
安全無痛 |
歯と歯肉の境目に付着した歯肉縁下の歯垢を採るだけなので、安全で痛くありません。 |
簡便迅速 |
専用の反応器で5分間反応を促進させるだけで結果が出ます。 |
結果は一目瞭然 |
検査結果は試験紙に出る青色の濃淡で診断できるため、肉眼で認知できます。 |
当院で行っている予防歯科メニュー
クリーニング(PMTC)
PMTCとは、プロフェッショナル・メディカル・ティース・クリーニング(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と言って、専門家による機械的な歯面清掃のことです。
毎日隅々まで磨いているつもりでも、どうしても歯ブラシの届きにくい所や汚れの溜まりやすいところが出来てしまいます。
そのような部分から虫歯や歯周病が進行してしまうのを防ぐために、特別な訓練を受けた専門の歯科衛生士が専用の器具を使って徹底的にお掃除します。
ブラッシング指導
ブラッシング指導とは、歯磨きのやり方の指導のことです。
歯磨きのやり方なんて、教えてもらわなくても解ってるよ!という方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、ご自身ではちゃんと磨いているつもりでも、プラークを落としきれていないケースがとても多いでのす。
また、歯並びや歯の状態は年齢を重ねると共に変化してきますので、その時その時のご自身のお口の状態にあったブラッシング方法をマスターする必要があります。
当院では、患者さまのお口の中の状態や、磨き方の癖なども考慮しながら、丁寧に指導させていただいております。
シーラント
シーラントとは、汚れが溜まりやすく虫歯になりやすい奥歯の溝の部分に、フッ素を配合した白いプラスチックを埋めることで、溝に汚れが溜まるのを防ぎ、虫歯を予防する方法です。
特に、6才臼歯(前から6番目の奥歯)は溝も深く、もっとも虫歯になりやすい歯ですので、この歯が生えてきたらシーラントによる虫歯予防処置を検討してみましょう。
注射をしたり、歯を削ることもありませんので、お子様への負担も少なく処置ができます。
フッ素塗布
フッ素とはミネラルの一種であり、自然界に多く存在する成分で、歯や骨にとって欠かすことのできない必須栄養素です。
フッ素には、歯の再石灰化を促進したり、歯質を強化したり、虫歯の原因となるさ酸の生成を抑制したりする効果があります。
歯質が弱くて虫歯になりやすい乳歯や生えたての永久歯を強くし、虫歯になりにくい環境をつくることが期待できます。