院長あいさつ
院長 菊池 龍介(きくち りゅうすけ)
院長の菊池です。
予防、矯正、歯周ケア、インプラント、精密な義歯、子供から年配者まで『かみ合わせ』を含めてご提案します。
あまり知られていない『かみ合わせ』の重要性を加えることで、お口の健康~身体の様々な問題までトータルにケアします。
自らの体験によって、医療の原点は「患者さんをよく知り、理解すること」だと確信し、患者さんのことばによる情報を、歯科的な意味に置きかえて理解します。理解の程度が治療結果を左右するので、コミュニケーションは重要だと考えています。
「Ki歯科」は、患者さんとのコミュニケーション、信頼関係を大切にし、皆さまのかみ合わせを守ることを目標にスタッフともども取り組んでおります。
そしてかみ合わせを通じて安心や健康・美容の増進を提供しながら、患者さんを陰で支え続けたいと考えています。
プロフィール
家族 妻と娘
趣味 読書、オーディオ、模型づくり
所属学会
日本インプラント学会
日本顎咬合学会
ICCMO(国際顎頭蓋機能学会)
略歴
1978年 | 駒場東邦高校卒 |
1984年 | 九州歯科大学卒 |
1988年 | 世田谷区にてキクチ歯科を開業 |
2007年~2012年 | 東京歯科大学解剖学教室在籍 |
2014年 | 歯学博士 |
2015年 | K.i歯科開業(移転・名称変更) |
2019.03
歴代のニューロマスキュラー噛み合わせ理論のリーダー
ドクターインタビュー
噛み合わせを整え、不定愁訴の改善をめざす歯科医院
―2015年4月にこの地に移転されたとか。院内は清潔で落ち着く雰囲気で居心地がいいですね。
以前は隣駅の千歳船橋で30年近く診療していました。
こちらに移転するにあたり、木の温かみが感じられる落ち着いた内装など、前のクリニックのいいところを生かしながら、患者さんがリラックスできる環境づくりを心がけました。
新クリニックではプラスアルファとして技工室を充実させるなど、バックヤードをより使いやすくしています。
同業者の先生方から依頼を受けて「噛み合わせ」に関するセミナーなどを開催していますので、院内でセミナーが実施できるスペースを確保するため、さまざまな工夫を施しました。
例えば、待合室と診療室の間は収納可能な引き戸にし、必要なときだけ利用できるプロジェクターのスクリーンを設置するなど、限られたスペースを有効活用しています。
―移転を機に、患者層に変化はありましたか?
経堂と千歳船橋というのは隣町ですから、今までと変わらず通ってくださる方が多いですね。
僕は小さい頃から千歳船橋に住んでいまして、経堂にもよく来ていたので、この2つの町は一体化しているような感覚があります。
ですから、患者層に違いを感じたことはほとんどありません。
従来どおりお子さんからお年寄りまで、幅広い世代の方が来られます。
ただ、「虫歯や歯周病だけ治せばいい」という方は少なく、歯と全身の健康の関係性などへの関心・意識が高い方が多い気がします。それは、当院が噛み合わせの治療に力を入れていることも関係しているかもしれません。
「噛み合わせをしっかり診てもらえる」と聞いて、遠方から通ってくださる方も少なくありません。
また、なかなか改善しない首や肩のこりの原因が噛み合わせにあるのではないかと、整骨院から紹介されて来院される方も多いですよ。
―噛み合わせの治療とはどのような治療なのですか?
上下の歯の凸凹がきれいに重なり合っていれば、噛み合わせに問題はないと思われがちですが、噛み合わせの良否は見た目だけではわかりません。
歯のほかに「顎の関節」と「顎を動かす筋肉」が大きく関わっています。
噛み合わせに問題があると無意識にズレを修正しようとする力が働き、筋肉や関節が疲労します。その状態が長く続くと首や肩のこり、こめかみの痛みなど全身の不調が現れると考えられます。顎の筋肉と関節が本来あるべきルールに従って、滑らかに動くように調節するのが、噛み合わせの治療です。
治療のポイントは、顎関節が滑らかに動き、顎を動かす筋肉に緊張やこりが起こらない「噛み合わせ」を見つけること。つまり、正しい噛み合わせの位置を見つけられるかどうかが、治療の鍵となります。
本人にも見えない問題を明らかにするのが噛み合わせの治療であり、精度の高い検査と精密な加工技術の両方が必要です。
先端検査機器を使って噛み合わせを正しく診断
―どのような検査を行うのですか?
咬合に問題があるかどうかは、筋肉と関節の両面から専門の計測機器で検査します。
当院は筋肉の収縮とともに発生する活動電位を波形として観測、記録する「筋電計」など、専用の計測機械を2種類導入しており、精密な検査が可能です。
正しい噛み合わせの位置を見極めるには専門の計測機器が不可欠です。
このほか、歯科用CTスキャン、CAD/CAM、頸運動解析機、レーザー治療器などの先端機器で数値として出るデータで解析を行い、目標を決めてデータを確認しながら治療をするのが当院のポリシーです。
歯や顎の関節や噛むための筋肉の存在を忘れるくらい、滑らかでよく噛める「噛み合わせ」を提供することを目標としています。
―検査後の治療は人それぞれ違うのですか?
多くの方は検査結果をもとに、顎の筋肉と関節が素直に動くように調整したマウスピース型の器具で症状の改善を確認します。その位置が正しいことが確認できたら、そのままこの器具で管理を続ける場合もあります。
一方ずっと器具を付けていることに抵抗のある方や、さらに治療が必要な方は、矯正治療やセラミックを使ったかぶせ物の治療を行います。失った歯がある方は入れ歯やインプラント治療を行う場合もあります。
噛み合わせの治療のポイントは、顎関節と筋肉の状態を健康な位置にもっていき、調和のとれた状態に戻すことです。治療の選択肢はたくさんあり、どの方法を選ぶかは本人のご希望を伺って決めていきます。
―患者と接する上で心がけていることはありますか?
患者さんを「よく診ること」です。患者さんの姿勢やしゃべっているときの顎の動かし方、舌の位置、顔つきや骨格などをよく観察すれば、こういう症状が出やすい方なのではないかなど、大体のことはわかります。
患者さんがご自身の不具合を正確に言葉で表現するのは難しいので、噛み合わせの治療に長年携わってきたプロとして、歯科医師の目線で診断し、理解することを心がけています。
例えば肩や首のこりの症状だと、歯科とは関係ないと思っている方が多く、患者さんの方から話してくださることは少なかったりします。しかし、実は密接に関係があり、患者さんと話している中で首や顎の周りの筋肉に問題が見つかる可能性があると判断すれば、筋電計で検査をするなど、こちらで問題をくみ取って治療をしていかなければいけません。
もちろん無理強いすることはありませんが、口腔内の管理だけでは解決できない問題が存在していないか、常に注意を払っています。
患者が人生を前向きに生きる手助けをしたい
―噛み合わせを専門にしようと決めたきっかけは?
実は、大学を卒業してすぐから噛み合わせの勉強はしていたんです。でも、昔からの治療法では筋肉や関節の不具合、不定愁訴の問題は解決できないとわかり、原点に戻るために東京歯科大学の解剖学教室で学び直しました。そのおかげで、自分なりのアプローチ法を会得することができました。
ただ、噛み合わせというのは学べば学ぶほど複雑で、難しい治療だと感じています。
複雑で設備投資が必要なわりにはもうからないので(笑)、専門にする歯科医師は少数派です。
しかし、噛み合わせが全身の健康に影響を及ぼすことを知ってしまった以上、見て見ぬふりはできない性格でして。自分がやらなければという想いで続けてきました。
今では、これが自分に与えられた使命だと考え、噛み合わせを重視したトータル治療を提供しています。
―歯科医師としてのやりがいを感じるのはどんなときですか?
患者さんを悩ませていた不定愁訴が改善して、笑顔で「楽になりました」と言われた時が一番うれしいですね。
顎関節や顎を動かす筋肉が健康になり、よく噛めるようになると顔のゆがみも解消されることがあります。表情筋がよく動くようになるので表情が豊かになり、首のしわまで改善につながるなど、女性にとっては美容面でも大きなメリットがあると考えられます。
正しい顎と筋肉の位置を探して噛み合わせを整えるので、治療効果が短い美容外科の治療に比べて、顔貌が長期間安定するのが特徴です。適切な「噛み合わせ」はバランスのとれた顔つきをつくってくれます。
多くの患者さんと接する中で、僕自身が正しい咬合が美容に及ぼす好影響を実感しており、最近は日本や海外の美容外科学会などで学会発表も積極的に行っています
―読者にメッセージをお願いします
歯科医院は虫歯や歯周病などの感染症対策と、インプラントや入れ歯など欠損部の治療だけが仕事ではありません。首や肩がこるなどの不定愁訴があって、整体に行ってもなかなか解決しない方の中には、噛み合わせという歯科の領域で解決可能なことがあります。
不正咬合が関わっていると思われる不定愁訴は圧倒的に女性が多く、約8割を占めるともいわれます。筋力が弱く、骨格もきゃしゃな女性は特に40代以降、今まで隠れていた問題が現れることが多いので要注意です。
噛み合わせの治療は筋肉や関節の健康を守り、人生を前向きに生きるための真の健康をサポートする治療だと思っています。お悩みの方は気軽にご相談ください。