嚙み合わせが原因かもしれない36の不定愁訴

    経堂(世田谷区)の歯医者、K.i歯科の嚙み合わせ治療

    あなたはしつこい肩こり、首筋の痛み、しつこい頭痛、気分の落ち込みなどで悩まれことがありますか?
    ある程度なら我慢されていたのではないかと思いますが、あまりひどくなり日常生活にも支障をきたすようになれば医療機関や鍼灸院、針などの施療院などを訪れれて相談されたのではないでしょうか。
    しかしそれでも根本的な問題の解決には至らなかったと思います。
    根本的な解決法については現代の医療では有効な手段は見つかっていないからです。
    その証拠にこの問題と真正面から取り組む専門の診療科は存在しませんし、基本的には代替医療に頼らざるをえないのが現状です。

    そこであなたは、ご自分の辛さの原因は歯の噛み合わせにあるのではないかと考えるようになられたかもしれません。
    しかし確証はないし、どこで相談すればよいかも分からずに悩まれてきたかもしれません。
    たとえ相談されたとしてもそこで納得のいく答えは得られなかったはずです。
    しかしその答えは今から50年前に提唱された理論のなかにあったのです。
    歯のかみ合わせがどのようにしてさまざまな不定愁訴と結びつくのかという答えがその理論のなかで説明されています。

    それはごく単純な理屈ですが、それらの不快症状の本質は筋肉の緊張でありその緊張を引き起こす原因の一つに歯のかみ合わせの異常であるというものです。さらにかみ合わせの異常がどのようにして筋肉の異常を引き起こすのかということも説明されています。

    その理論に従えば、筋肉を緊張させる歯のかみ合わせの異常を見つけてそれを正すことができれば、からだの緊張が緩和されて全身が楽になるということになります。
    実際にそのとおりに実行すればその理論通りにほとんどの症状は楽になります。
    もしあなたが苦しんでこられた辛い不快症状がここで取り上げた36種類の不快症状のなかに含まれているとしたら、かなりの確率で噛み合わせを正すことでその症状から逃れられる可能性があります。
    そのときは、このページを真剣に熟読してみてください。きっとあなたのために幸運をもたらすはずです。

     

     

    36の不快症状とは?

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    噛み合わせの違和感

    1. 噛み合わせがしっくりしない
    2. よく噛めない
    3. 自分の噛みたいところでかめない
    4. どこで噛んでよいか分からない
    5. 噛んだ後「あご」が疲れる

    あごの関節に関連した症状

    1. 噛むと「あご」が痛い
    2. 何もしなくても「あご」が痛む
    3. 大きく口が開けられない
    4. 硬いものが噛めない
    5. 「あご」の関節のところで音がする

    精神的な不調

    1. いつもイライラしている
    2. 物事に集中出来ない
    3. 怒りっぽくなった
    4. 意欲がわかない
    5. 気分が落ち込む
    6. 鬱状態である

    身体の全身の筋肉の痛み

    1. しつこい肩こりがある
    2. 首筋がこる
    3. 背中が痛む
    4. 腰が痛い
    5. 側頭部(こめかみ)が痛む
    6. 頭が締められるように痛む
    7. 顔の筋肉がこわばる
    8. 目の奥が痛む
    9. 手足がしびれる
    10. 耳が詰まって聞こえにくい

    自律神経系の症状

    1. よく眠れない
    2. 寝起きが悪い
    3. 日中だるい
    4. 疲れやすい
    5. 息切れがする
    6. 動悸がする
    7. めまいがする
    8. 便秘がちである
    9. 睡眠時無呼吸症
    10. 生理が不順
    11. 生理痛がひどい

     

     

    噛み合わせのの違和感とは?

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    1.噛み合わせがしっくりしない

    噛み合わせがしっくりしないという感覚は、漠然とした噛み合わせの違和感のひとつです。
    その原因としては2つの場合が考えらえます。

    その一つは上下の歯の形状が合っていないためにしっくりと咬みあわないという場合です。その場合には上下の歯がうまくかみ合うように歯の形を治せば解決します。

    しかしそのように歯の形を整えても咬み合わせがしっくりと感じられない場合があります。それは心理的な問題なのではないかと捉えられがちですが、必ずしもそうとはいえません。その原因は他にあるからです。

    2.よく噛めない

    ものがよく噛めないというのはよくある訴えですが、その原因はいろいろあります。
    一番多いのは欠損があったり、歯の形が悪かったりする場合ですがそれは通常の歯の治療で対応することが出来ます。

    しかし問題なのは欠損を補って歯の形を整えたのにもかかわらずそれでも噛めないと訴えられる場合です。
    そうなると一般の歯科医には打つ手がありません。
    いくらかみ合わせをを調整してもそのような患者さんには納得してもらえません。
    その原因はもっと深いところにあるからです。

    3.自分の噛みたいところでかめない

    最初このようなうったえを聞いた時は奇妙に感じたのですが、今ではそのような患者さんの気持ちがよく理解できます。そしてこのような気持ちを抱いている患者さんが大勢いらっしゃることも知りました。

    自分が噛みたいところとは下顎を動かしている筋肉が快適に機能できる顎の位置のことです。
    その位置で顎を閉じた時にそこで上下の歯がかみあえば何の問題もありません。

    しかしそこで歯の位置がずれていれば顎の位置をすこしずらして歯がかみ合うよう位置に調整しなければ咬み合いません。
    そのわずかな調整を毎回しなければならないとするとかなり煩わしく感じられるはずです。
    もちろん無意識に行っているにしてもです。

    4.どこで噛んでよいか分からない

    この訴えは噛み合わせの異常がある患者さんのほとんどが訴える症状です。
    この訴えが意味するところは定まった咬む位置がないということです。
    そのため「下あご」が安定せずふらふら動いてしまいます。

    これでは下顎を支えている筋肉が常に活動しつづけて休むことができずに疲労させられてしまいます。歯のもう一つの重要な役割は下顎をしっかりと支えることですがその機能が失わるとさまざまな障害が発生します。

    5.噛んだ後あごが疲れる

    この訴えも咀嚼機関の効率の問題と捉えられがちですが、むしろ咀嚼筋が働きやすい下顎の位置と歯が咬合しやすい下顎の位置がずれていることが原因であると考えられています。

     

    「あご」の関節に関連した症状

    1. 何もしなくても「あご」が痛む 
    2. 硬いものを噛むと「あご」が痛い
    3. 大きく口が開けられない
    4. 硬いものが噛めない
    5. 「あご」の関節のところで音がする

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    全身の筋肉の緊張と痛み

    1. しつこい肩こりがある
    2. 首筋がこる
    3. 背中が痛む
    4. 腰が痛い
    5. 側頭部(こめかみ)が痛む
    6. 頭が締められるように痛む
    7. 顔の筋肉がこわばる
    8. 目の奥が痛む
    9. 手足がしびれる
    10. 耳が詰まって聞こえにくい

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    咬み合わせと関係の深い自律神経系の不調

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    1. よく眠れない
    2. 寝起きが悪い
    3. 日中だるい
    4. 疲れやすい
    5. 息切れがする
    6. 動悸がする
    7. めまいがする
    8. 便秘がちである
    9. 睡眠時無呼吸症
    10. 生理が不順
    11. 生理痛がひどい

     

    次のような精神的な不調で悩んでいませんか?

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    1. いつもイライラしている
    2. 怒りっぽくなった
    3. ものごとに集中できない
    4. 意欲がわかない
    5. 気分が落ち込む
    6. 鬱状態である

    慢性疼痛患者の特徴

    肉体の痛みが、数日や数週間という短い期間で解決されず、半年やそれ以上長引くようであれば「慢性疼痛症候群」の患者として、失望、落胆、不安感というセラピーが必要なほどの「うつ状態」に移行します。

    ほとんどの噛み合わせ症候群の患者が、精神科や心療内科に隠されてしまうのはそのためです。
    噛み合わせ症候群の原因療法がなされないままに精神障害の患者として扱われることに多くの患者が戸惑っているのが現状です。

    一部の臨床家は、精神障害こそが噛み合わせ症候群の主要な原因であると主張していますが、到底賛同しかねる意見です。

     

    あなたの症状のつらさはどのくらいですか?

    あなたの症状の辛さの程度を下の表の数字を選択して記録してみましょう。
    ご自分の症状の辛さを客観的に把握することができます。

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    あなたの症状の経過を整理してみましょう

    あなたのつらい症状の経過を整理して下の予診票に記入してみましょう。
    それによってご自分の症状を客観的にみられるようになります。

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    あなたが悩んでいる症状はいくつありましたか?

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    あなたを悩まさせている症状は単独でひとつだけではなかったはずです。

    通常二つ以上の症状を同時に患っていることがほとんどです。たとえば顎関節症と肩こりや頭痛、首筋の痛みと不眠症や倦怠感、噛み合わせの違和感、目の奥の痛みなど複数の不快症状を抱えていることがほとんどの場合でみられます。
    ここで取り上げた36の症状のうちのいくつかの症状が組み合わさって同時に現れるということがこれらの症状の特徴です。その理由はこの36の症状のはひとつの共通の原因から派生しているものだからです。
    そのためその原因を取り除けばすべての症状が同時に解決することができます。

    つらさの度合いが②以上の症状が10以上あれば日常生活にかなり支障があるはずです。
    今すぐなんとかして解決したいと考えられ方が多いはずです。そのような方にとってはこのページから大切な情報が得られるはずです。
    逆にそれほど辛い症状が無いと思われた方は、ここから先この小冊子を読むメリットはないと思いますのでここで中断されることをお勧めします。

     

    あなたはTMD(ティ・エム・ディ)という病気があることをご存知でしたか?

    この36の症状はすべてTMD(Temporo Mandibular Disorder)と呼ばれている病気の症状です。

    TMDという病気の36の症状のほとんどすべては筋肉の緊張からきています。
    顎関節症をはじめとして肩こりや首筋の痛み、目の奥の痛み、胸や腰の痛み、などは明らかに筋肉の緊張からくる痛みであることは明らかですが、筋肉が過度に緊張すると自律神経系が不調になります。

    睡眠障害や動悸、息切れ、めまい、倦怠感、便秘、生理不順なども自律神経のみだれから起こっています。
    また体の不調が長く続くと精神的にも情緒が不安定になります。

     

    5人に1人がこの病気(TMD)をわずらっているといわれています。

    TMDに罹患している人は異常に多く、解決法を求めて彷徨っておられます。
    それはTMDが多様な症状から成り立っているためにその原因について定まった見解がなく、有効な治療法が確立されていないからです。
    ここではそれらの多様な症状の原因を全身の筋肉の過度な緊張のせいではないかと断定してその解決策を提示させていただいています。

    TMDの不快症状は筋肉の緊張が原因ではないかと考える理由は、人間の体は基本的に筋肉で構成されているといっても過言ではないからです。筋肉が緊張すると身体全体が不定愁訴の塊のようになります。
    筋肉の緊張をやわらげることができれば体全体が楽になることは否定のしようがない事実です。
    しかし現代医学では筋肉の緊張を解く方法は薬物療法くらいしかありませんが安全性に問題があります。
    それ故、代替医療である整体やカイロプラクティックなどに頼らざるを得ないのが現状ですがその効果は一時的で限定的です。

     

    筋肉はなぜ緊張するのか?

    精神的な緊張が筋肉を緊張させることはよく知られています。
    その他にも同じ姿勢を長時間続けて何かに集中していたりすると筋肉が緊張して固まってしまうことはよく知られています。
    また多くの人が経験していることです。
    しかし筋肉を最大限に緊張させてしまう根本的な原因は他にもあります。

     

    筋骨格系の位置関係の異常が筋肉を緊張させる。

    人間の体は骨格と筋肉で構成されています。筋肉は骨格と骨格のあいだで働いて骨格を動かしています。
    筋肉は骨格と骨格の位置関係が筋肉にとって機能しやすい関係にあるときには最大限の機能を発揮するようにできていますがそうではないときには十分な機能を発揮することができません。
    それだけではなく骨格間の位置関係が悪いときには十分な機能が発揮できないだけではなく、異常に緊張して疲労し固まってしまいます。
    それが「凝り」という不快感として感じられるようになる根本的な原因です。
    これは血液の循環障害をともなった筋骨格系機能障害といわれているものです。

     

    たとえば靴の底が斜めに過度に擦り減った靴を履いて長いあいだ歩くと・・・

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    太ももやふくらはぎの筋肉が痛くなりますよね。
    場合によっては膝の関節も痛めます。
    その原因はすり減った靴底の角度に合わせて歩くことで複数の骨格の位置関係が次々に歪められていき筋肉や膝の関節はそれに合わせて機能しなければならなくなるからです。

    このように骨格間の位置関係がゆがんだ状態で長時間機能させられ続けると正常な機能が営めなくなるだけでなく、関連する筋肉や関節に重大な機能障害がおきます。
    これは筋骨格系機能障害とよばれている疾患のひとつです。
    筋肉は極度に緊張し、膝関節には異常な方向から体重が加わえられるようになるために膝関節炎がおこることもあります。筋肉は極度に緊張すると血液循環が悪くなり、硬直して自力では回復できなくなるなります。そのような場合には外部から筋肉をマッサージして血行を回復してやなければなりません。

     

    根本的な解決法は、上肢と下肢の骨格間の位置関係を正常化して安静を保つこと。

    また靴底の傾きを正して、下肢と上肢の骨格間の関係を歪ませないようにして安静をたもつことです。

    そうすればそれら二つのの骨格の間にあるふとももとふくらはぎの筋肉や膝関節は血液循環が正常化して速やかに回復にむかうはずです。

     

    どうすれば全身の筋肉の緊張をゆるめることができるか?

    「あご」の筋肉の緊張を緩めれば全身の筋肉の緊張を緩めることができる

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    全身の筋肉はお互いに連携しあって一つのネットワークを形成しています。
    そのためあごの筋肉が緩めば隣接して一体化している頭頚部筋肉も緩みます。

    しかし「あご」の筋肉を緩めるためにはただ単に力を抜いてリラックスするだけではゆるめることはできません。
    「あご」の筋肉を緊張させている原因をとりのぞかなければなりません。

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    顎の筋肉と頭頚部に筋肉は密接に連携しています。
    顎の筋肉の緊張はすぐに頭頚部の筋肉を緊張させて、首筋や肩、こめかみや側頭部の筋肉の緊張として不快感を感じられるようになります。

    「あご」の筋肉を緊張させる原因は下顎と頭蓋の間の位置関係が狂うことから起こります。この位置関係が筋肉にとって好ましくない状態になるとその間で働く無数の筋肉が機能しにくくなり、無用なストレスのために緊張状態になるのです。

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    「あご」の周囲の筋肉の緊張は瞬く間に周辺の筋肉に伝達して肩凝りなどの不快感として感じられるようになります。
    まず「あご」の筋肉の緊張をとることで、このようなことは防ぐことができます。

     

    「あご」の筋肉の緊張を緩めるためにはどうすればよいか?

    「あご」の筋肉の緊張を緩めるためには次の二つの条件を満たすことが必要です。

    • 下顎と頭蓋の位置関係(下顎位)を正常に保つ
    • その位置で下顎を安定させる

    1)下顎と頭蓋の関係を正常に保つためには・・・・

    かみ合わせによって「あご」の位置がずらされたり、ゆがめられたりした頭蓋との位置関係を元の正常な状態に戻してやれば、下顎と頭蓋のあいだで働いている筋肉は安静化して緊張が緩みます。そのためには一種の副木(スプリント)の役目をするプレートを使用します。
    骨折などしたときに正常な骨格間の位置関係を維持するために用いる副木と同じような考え方です。

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    咬み合わせの異常、たとえば片方の歯列が低くなったところを補うことで、「あご」と頭蓋の位置関係を正常化することができます。
    そうすると「あご」と頭蓋との間で働いている筋肉が正常に機能できるようになり、緊張がとれて「あご」の筋肉は緩みます。
    「あご」と頭蓋との関係を正常化するために用いる器具をオーソティックといいます。あごの正しい位置を保つことで筋肉の緊張が緩みます。

     

    2)その位置で下顎を安定(固定)させる

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    顎は一か所で安定するところがないと筋肉は休むことができずに常に活動し続けなければなりません。そうすると筋肉は緊張し続けることになり、緊張が緩むことはありません。

    歯がかみ合うことで「あご」を頭蓋にしっかりと固定する重要な役割があります。咀嚼運動の最中は下顎は忙しく食物をかみ砕く運動をしますが、咀嚼の終末で食物がこなれてくると、歯は下顎を頭蓋(上顎)にしっかりと固定して嚥下できるようにします。嚥下するためには下顎が動かないように固定する必要があるからです。その間に咀嚼筋は休息すると考えられています。

     

    顎関節や「あご」の筋肉の緊張を和らげる治療効果が高いオーソティックとは・・・

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    上の三つの写真は同じ患者さんの写真ですが、左からいつものように噛んでいる時の状態、中央は顎の力をぬいた時の「下あご」の位置、右はその状態をオーソティック(副木)で支えているところを示しています。
    ①は普通に噛んでいる時の噛み合わせの様子を示しているものですが、習慣性咬合位と呼んでいます。この状態では歯はよく咬みあっているように見えますが、下顎と頭蓋との位置関係が必ずしも正しい関係になっているかどうかは分かりません。
    この時点でTMDの症状(36の症状)のうちのどれかを訴えているような場合には、下顎と頭蓋の位置関係を調べてみる必要があります。
    そのためには咬み合わせからの悪い影響を受けないようにするために歯を接触させない状態で顎の力を抜き( ②の下顎安静位 )頭蓋との位置関係を調べます。この位置は噛み合わせからの影響から解放された筋肉だけの力で維持されている位置です。この「あご」の位置は筋肉が緊張していない状態で筋肉がきめた位置なので、この位置を維持することができれば「あご」の周辺の筋肉は緊張はとれて緩和されます。
    この位置で下顎ををオーソティックで固定してやると筋肉は安定して緊張しません。この時の「あご」の位置は下顎と頭蓋の位置関係が正常になっていることが多く、この位置を維持することができれば、筋肉や顎関節の緊張が取れてTMDの症状は消えていきます。

    治療効果の高いオーソティックとは?

    • 下顎の安静位が探し当てられていること
    • そのためにはTENSを使用して不随意的な筋収縮を利用すること
    • 下顎と頭蓋の位置関係が正されてること
    • 下顎に安定したホームポジションを提供して筋肉を安静にしていること
    • 下顎の位置は客観的に科学的データでつねに評価されていること
    • オーソティックの調整はTENSを使って不随意的な筋収縮でおこなうこと

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    下顎の位置と筋肉の緊張状態を客観的に評価するための装置
    術者の勘や肉眼だけに頼るのではなく科学的な手段を駆使することで確実な効果が得られる

     

    「あご」の筋肉を緊張させる噛み合わせの異常

    かかとがすり減った靴で起こるようなことは、「あご」の筋肉や顎関節のあいだでも起こります。
    靴底の傾きの代わりに歯並びの傾き、下肢(ふくらはぎ)、上肢(太もも)の骨格を頭(頭蓋)と下顎に置き換えるて考えれば、全く同じことが咀嚼筋と顎関節のあいだでも起こります。
    靴の底が片べりするようのことは、歯列の片側がすり減ったり低くなることでも起こり、下顎と頭蓋との位置関係を狂わせます。
    そうなるとその間で機能している筋肉と関節は異常な緊張を強いられるようになります。その結果、筋肉と顎関節は緊張して痛むようになります。

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    下の右の図のように骨格間の位置関係が変化すると筋肉は安静を保てなくなり緊張します

    下の右の図のように骨格間の関係、たとえば下顎骨と上顎骨(頭蓋骨)の関係が変化すると、その間で働いていた筋肉は正常な機能を発揮できなくなり緊張します。
    筋肉という器官は位置関係の変化に非常に敏感な器官なので位置関係の変化に鋭敏に反応します。位置関係の変化に敏感にに対応しようとして緊張します。
    緊張が昂じると適応できなくなり硬直して循環障害に陥り痛むようになります。このような緊張状態を解消するためには筋肉が機能する環境、つまり筋肉が働きやすい位置関係を回復することが最も重要なことになります。

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    骨格間の位置関係が異常になるとその間で働く筋肉は正常な機能を営むとはできなくなり緊張する

     

    下顎と頭蓋との位置関係を狂わせる噛み合わせの異常。下顎のトルクとは・・・

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    上の図は下顎の頭蓋に対する位置関係(下顎位)を示しています
    下顎の頭蓋に対する位置関係(下顎位)は歯のかみ合わせにによって大きな影響を受けます。歯のかみ合わせによっては下顎が全体的に前後左右に不正な位置に移動したり、頭蓋に対して傾いたり、ねじれたりします。
    そうすると「あご」と頭蓋の間を繋いでいる顎関節や顎を支えて動かしている筋肉も大きな影響を受けます。その関係が顎関節や筋肉にとって生理的なものであれば問題はないのですが、その関係が不適切な場合にはの顎関節症や周辺の筋肉が緊張したりします。
    そのような場合にはまず「あご」の周辺の筋肉が緊張してそれが全身の筋肉に波及していきます。

    下顎が頭蓋にたいして傾くことをトルクといいます

    専門用語では下顎が頭蓋にたいして傾いたりねじれたりすることをトルクといいます。
    下顎と頭蓋との位置関係は神経筋機構(ニューロマスキュラーシステム)によって厳密に決められています。それを狂うわさせる一番大きな原因は歯のかみ合わせです。歯列の左右の高低差や前後的な高低差などの不均衡が生理的な下顎位を狂わせます。
    わずかなかみ合わせの不均衡による下顎のトルクの変化であってもその間で機能している筋肉や顎関節では大きな機能障害の原因になります。
    それは筋肉の緊張として凝りなどの不快な感覚としてあらわれます。

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    下顎のトルクの種類
    3種類あっていずれも航空機の空中での態勢を表す言葉になぞらえて、Pitch,Roll,Yaw と呼んでいます。
    下顎骨はからだの中では唯一独立した骨格で、その位置は空間上の位置としてとらえることが出来ます。いずれも身体全体の健康(特に筋肉)に大きな影響を及ぼします。その最大のものが、多様性にとんだ36の症状を含むTMDです。

     

    診断と治療のカギを握る下顎安静位とは?

    診断と治療のカギを握る下顎安静位について、こちらのページで詳しく解説しております。

    ⇒診断と治療のカギを握る下顎安静位とは?

     

    TMDに罹患しやすいか、またはすでに罹患している人の歯列の特徴

    下に示した歯列はTMDにすでに罹患しているか罹患しやすい人の歯列を示しています。
    しかし全く問題のなさそうなきれいな歯列をした人でもTMDに罹患する人は大勢いますので歯並びの悪さは直接TMDの原因ではありません。兆候のひとつだと理解しています。

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    TMDの検査と治療の流れ

    来所までの流れ

    1. ホームページの内容をよく理解していただく
    2. メールまたは電話でカウンセリングの申し込み
    3. カウンセリングの予約をする

    カウンセリング(所要時間1~2時間)

    1. 来所して問診票に記入
    2. カウンセリング
      これまでに経験された症状や治療についてできるだけ詳しくお伺いします。
      できればこれまでの経過を簡単なメモ書きにまとめてきていただくのもよいかと思います。

    治療開始前の検査(所要時間2時間)

    1. 姿勢への影響の評価(全身写真)
    2. 口腔内写真
    3. 口腔内模型の印象
    4. K7による顎運動機能の検査
      スキャン1,2,3,6,8,13
      筋電図による筋の安静状態と噛み締め機能の検査
      スキャン9、11,12
    5. TENSの導入(45~60分間使用します)
    6. TENS後の筋電図の検査
      スキャン10
    7. K7による下顎安静位の採得

    治療開始(所要時間2時間)

    1. オーソティックの装着
    2. オーソティックの調整
    3. 使用上の注意

    オーソティックの調整(2週間後、所要時間2時間)

    1. オーソティック使用後の経過を詳しくお伺いします
    2. オーソティックの調整

    オーソティックの調整(一か月後、所要時間2時間)

    1. オーソティック使用後の経過を詳しくお伺いします
    2. オーソティックの調整

    オーソティックの調整(一カ月後、所要時間2時間)

    1. オーソティック使用後の経過を詳しくお伺いします
    2. オーソティックの調整

    オーソティックの調整(一カ月後、所要時間2時間)

    1. オーソティック使用後の経過を詳しくお伺いします
    2. オーソティックの調整

    オーソティックの調整の回数は症状の改善の具合によって異なります。経過がよければ回数は少なくて済みます。

     

    あとがき

    官民一体の努力のお陰でと患者さんの予防意識が向上し、いわゆる歯科の二大疾患といわれた虫歯と歯周疾患に罹患する人は激減してきています。 その結果、一種の国家プロジェクトでもあった8020運動も成就しつつあるようです。

    しかし歯科の二大疾患が終焉に向かうのとは対照的に、まったく手付かず放置されている重大な疾患の分野が残されています。 それはもしかしたら、いや間違いなく歯科と深くかかわっているかもしれない重大な疾患群であるということが出来ます。

    それはこのページのテーマである36の不定愁訴のかたまりであるTMDという疾患です。これは程度の差があるとはいえ著しく人々の日常生活のQOLを傷つけ、個人の人生のキャリヤーを根本から損ないかねないない恐ろしい病気です。人口の五人に一人が罹患して苦しんでいると考えられています。

    さらに厄介なことはこの疾患の本態と原因や治療法についての十分なコンセンサスが得られていないために、多くの患者さんがその解決法を求めて途方に暮れているのが現状です。

    筆者は長年の研鑽と臨床的な経験に鑑みて、ほぼ確信に近い結論が導きさせれた段階であると判断してその概要をここに明らかすることにしました。
    おそらくあまり見聞きする機会のなかった内容であるために十分に理解していただくためには多少の困難がともなうことと思われますが、ご容赦いただきたいと思います。

     

     

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